面倒なのがいなくなってホッと息を吐くと、
さっきまで蒼が座ってた場所に西条さんが腰をおろした。
「蒼に気に入られちゃった?」
「へ?」
「あんなに一人の女の子の隣キープしてるなんて、蒼らしくなかったからさ」
それは嫌がらせです…!
と説明したいけど、さっき起きたことを口にするのも恥ずかしい。
とりあえずそれらしい言い訳を探してみた。
「蒼は幼なじみで…。
知り合いだから、隣にいると安心するのかもしれないですね」
そんなわけないけど。
「へぇ、幼なじみなんだ?
蒼からそんな話聞いたことなかったな」
……まぁ、中学卒業前に話さなくなった人のことなんか、言うわけないよね。