好きになってはいけません。




はぁ、はぁと息を荒げながら言うと、


蒼が『へぇ』と言って、ニヤリと笑ったのがわかった。



「彼氏がいるくせに合コンに来るって、
クマに最低なことしてるってわかってる?」


「…わ、わかってるよ!
でも、絶対この後は誰にも捕まらずに帰るし…!」


「へぇ。今俺に捕まってるのに?」


「蒼は知り合いだから、関係ない」


「関係あるだろ。
俺だって“合コン”に来てる人間だし、
女の1人くらいは持ち帰るつもりだけど?」


「……はぁ!?
連絡先交換、とかからじゃないの!?
持ち帰るとか、不潔っ!」


「あそこにいるみんな、そんな甘ったれな考えのやついねーよ」



ドン、と壁に追いやられて、蒼がきゅっと口角を上げた。