「…ゆ、ず…?」


「………」



びっくりしたような蒼の声が聞こえる。


思わず視線を逸らすと、また吐き気がこみ上げてきて。



「……〜!!」



口もとを抑えながら、蒼の横を通り過ぎ、トイレの方へダッシュした。





まさか、蒼が来るなんて。


女に困ってない蒼が。隣にいる女が日替わりの蒼が…



合コンに来るとは、思わないじゃん。


ついに同じ学校の女だけでは満足出来ずに他校の女にも手を出そうってこと?



「うっ……はぁ…はぁ…」



お腹に鈍い痛みがあって、気持ち悪い。


トイレの前で、手で口もとを抑えて息を整えていると、


後ろからバッと口を抑えられた。



「!?」


「ゆっくり、息して」


「……?」



私の口を抑えているのは、濡れたハンカチ。


言われた通りにゆっくり呼吸をすると、だんだん楽になってきた。