「……あ、わかった。
また蒼のこと見てた?」
私の視線の先を見て、フッと悲しそうに笑う。
クマくんは、私の幼なじみである佐倉蒼とは友達…だった。
高校入るのをきっかけに、連絡もとらなくなったらしい。
いや…中学を卒業する少し前から、2人の距離は少し開いていた気がする。
「えっ、と…。
……うん、ごめん…」
「いいよ。
そう簡単に忘れられないよな」
付き合うことになったのは、クマくんに告白されたから。
でも…最初はクマくんの気持ちに応えられないってフッた。
なんでかって言われると…
……蒼のことが、好きだったから。