蒼が私の頭を掴んで、髪をくしゃっと握る。


ちょっとだけ漏れる、蒼の興奮したような息づかいに、


私も熱をおびてきた。



「柚、そのまま強く吸って」


「ん…っ」


「もっと強く。
痛くするくらいじゃなきゃ、痕残んないよ」



上手くできなくて、何回も挑戦して


ようやく、薄い痕が付いた。



「こんなんじゃすぐ消えそう」


「上手く出来ないよ…」



これじゃ、蒼に呆れられちゃう…。



「泣きそうな顔すんな。
ちょっとずつ学んでいけばいい」


「……」


「キスマークだけじゃなくて、
“恋人”らしいこと…全部俺と一緒に勉強しような?」