いつまでも口を割らない私に、
イラついたように呟いて。
むに、と頬をつねられた。
「いひゃい…」
「言ったら離す」
「……ヤキモチ」
「は?」
「妬いてる…。それだけ」
蒼の手から逃れて、顔を隠すと
三角座りしていた私の脚に、蒼の体がぴったりとくっついた。
「柚」
「……」
「妬いたって、
なんで?」
ねぇなんで?と私の耳をくすぐりながら私の返事を待ってる。
「笑美さんと…いたから…」
「たまたま帰りが一緒になっただけだよ」
「…でも一緒に帰らなくても…」
だって、
笑美さん、私達と同じ駅でおりるはずない。
海行った時、結構遠かったもん。