もう、クマくんに恋は出来ないけど



これからも、友達として一緒にいたい。









「あ、蒼だ」



駅のホームにおりてきたら、クマくんが私の肩を叩きながら言う。



向かいのホーム。


いつも隣に女の子がいる…。


見たいような、見たくないような…。


俯いていた顔を上げると、



蒼がこっちを見て、小さく手を振っていた。



「…!」



蒼の隣には、誰もいない。


今まで、ここで目があったことも、なかったのに。


……蒼が、私に手を振ってくれている。


それが、すごく嬉しくて…。



「ちょ、柚!?」



隣にいたクマくんにびっくりされるくらい、大号泣してしまった。