「俺が寝言で笑美の名前を?」 「うん」 「あーそれは、 熱が出て心細かったからじゃねーかな」 「………」 「……寂しい時、 決まってそばにいるのは、笑美だったから」 「……むぅ…」 「つーか、知らないフリしてたのにやっぱりうちに来てたんじゃん」 俺の寝言聞いて拗ねたの?と笑いながら頭を撫でてくる。 「……拗ねてない」 「嘘つけ」 「拗ねてないもん…」 フイッと蒼と反対の方へ首を倒すと、 追いかけてくるように、蒼が上半身を起こして上から覗き込んできた。 「柚」 「……」 「好きだよ」