それは本当だよ。
「……俺も一緒」
「え…？」
「柚が消えること、なかった」
突然手を掴まれて、
蒼の胸に当てられた。
「柚といると、いつもドキドキしてる。
恥ずかしくて、悟られないように隠すの必死だったけど」
「……！」
ほんとだ。
手のひらに伝わる蒼の心臓の音…速い。
「ど…どうして…？」
「え？」
「蒼は…私のこと好きじゃないのに、
どうしてこんなこと…」
そう言いながら蒼の顔をチラッと見たら、
蒼が鬼みたいな顔して私を睨んだ。
「ここまで言ってんのに
なんで俺は好きじゃないとか言うんだよ」
「だって蒼が…！」
「俺が何？」
何故か不機嫌になる蒼につられるように、私もムスっとしながら
蒼が熱を出した日のことを話した。
