頰に蒼の手が触れて、
下から見上げるように見つめられた。
「もっと、柚に触れたい。
ここだけじゃなくて…もっとたくさん、『俺の』ってしるしつけたい」
「……なんで…?」
「え?」
「……“ただの幼なじみ”に…なんでこんなことするの?」
はだけた胸元を隠して、蒼を睨む。
蒼は一瞬目を逸らしてから、また私と目を合わせた。
「“ただの幼なじみ”じゃない」
「……だって、蒼がそう言った…」
私はその言葉に傷付いたんだよ。
「嘘だよ。
……クマと付き合ってると思ってたから…。
でも、別れたんだろ?」
「……うん」
「……俺のこと好きだから?」
「……うん…」



