好きになってはいけません。




いつも見つけてしまう。


朝、向かいのホームにいる、柚とクマの姿を。


自分から遠ざけたくせに、そこに手を伸ばしたくなる。


見つける度に、見るなって自分に言い聞かせる。


そのために毎朝、誰かしら女を連れている。


見ないようにするために。


それから……少しでも柚が、意識してくれないかなって淡い期待。



……言ってることとやってることが、矛盾してるんだよな。



「……はぁ…」



2人の邪魔がしたいわけじゃない。


……そう思ってるけど…邪魔してるのと一緒だ。