「……だ…」


「は?」


「………やだ…」



受け取ったタオルに顔を埋める。


そのタオルに、涙のシミが出来ていく。



「……おい、柚」


「蒼は私のこと…、遊び相手にしたくないって言ってたけど…っ、

……私だって…
…他の女の子、みたいに…っ、
蒼に女の子扱い、されたいよ…!」


「………は?」


「他の女の子と…っ、同じ扱いしてほしい…っ」



もう、遊びでもいいから


蒼に、女の子扱いされたいよ。



「……他の女と一緒とか、
無理に決まってんだろ」


「………」


「……俺は柚が…」



蒼が何か言いかけた時、急にハッと口をおさえて。



「………やめろよ、バカなこと言ってんな。
お前はずっと……“ただの幼なじみ”だから」



冷たい声が聞こえた後、


蒼は私の方を見ずに、自分の家へ入っていった。