あぁ…どうしてだろう。
蒼の顔、見れないな…。
「柚、昨日俺ん家来たの?」
「……え…」
「昨日結構熱あって、あんま覚えてなくて」
蒼がそばにいてほしかったのは、笑美さんだ。
覚えてないのなら、
……私は、知らないフリをした方がいい。
「……熱、あったんだ。知らなかった。
今は、大丈夫なの?」
「昨日ぐっすり寝たら、わりと元気。
いや、そうじゃなくて。
来てないならなんで柚のタオルがうちにあったんだ?」
ん?と首を傾げる蒼。
……本当は行ってたんだから、なにも不思議じゃないのに
熱のせいだとしても、蒼にとって私の存在が薄いって言われてる気がして、
フイッと顔を背けた。



