蒼がそう呟いたら


握る手から力が抜けた。


だらりと腕を下ろして、


眠る蒼をぼんやりと見つめた。



……聞きたく、なかったな…。



『───……笑美…』



蒼が苦しい時にそばにいてほしいのは、私じゃない…



笑美さんなんだ。



ははは……なんだ…そっか…。


芽依、勘違いだったね…。



蒼にとっての特別は、笑美さんだったんだ…。