好きになってはいけません。








部屋のベッドに横たわった蒼は、苦しそうに息をしている。



「蒼…苦しいの?」


「……喉いてぇ…ゴホッ…
体もだるい…」


「とりあえず、熱があるなら冷えピタ貼るね…!」



そこで、手にビニール袋を持ってないことに気付いた。


あ、


そういえばさっき、玄関に置いたんだ。


ついでにちょっと汗拭いた方がいいよね。


この家の勝手はわからないから、うちからタオルを持ってこよう。


早く取りに行かないと、と部屋を出ようとしたら


服の裾を引っ張られて、動きを止められた。



「……!
蒼…?」


「……ッは……行くな…」