好きになってはいけません。




今度は閉められないように、瞬時にドアの隙間に体を滑り込ませると



「……えっ、わわっ!」



目の前にいた大きな体が、急にもたれかかってきた。



「あ、蒼…?」


「は……はぁ…」


「……熱い」



もたれてきた蒼の体をしっかりと抱きとめて、玄関のドアを閉めた。


蒼の額に手を当てると、自分と比べなくてもわかるくらい熱い。



熱があるんだ。しかも、結構高いと思う。



「…蒼、つらいのに歩かせてごめんね」


「……ほん、と、迷惑…」


「部屋まで支えるよ」



蒼の腕を私の肩にまわし、私は蒼の腰に手を添えながら蒼の部屋まで歩いた。