「…蒼くんのこと、好きなんだ?」



私の顔を覗き込む芽依と目があって、


恥ずかしくなって顔を背けた。



「もしかして、あの海の日から?」


「……うん」


「だーよねー。
あの日の蒼くん、ホントに好きになっちゃいそうなくらいカッコ良かったもん」



………ん!?



「……好きになりそうだったの?」


「あたしが、じゃないよ。
あたしが柚なら、好きになってたなって」


「……なんで?」


「だって、
蒼くん、柚のことすっごい愛おしそうな目で見てたよ?」



………へ?



「……え、うそ」


「蒼くんの本心は知らないけど、
あたしにはそんな風に見えたよ」