「……ごめんねクマくん」
「なんで柚が謝るの」
「……ずっと蒼を引きずってるから…」
「なら俺も、ずっと柚を引きずってるから、おあいこ」
頭を撫でていたクマくんの手が、私の髪をぐしゃぐしゃに乱した。
「…っえ、ちょっ、クマくん…!?」
やめて、ってクマくんの手を掴んでも、力の強いクマくんの手を止められなくて。
「……ぷ、あははっ!」
すっかり髪がボサボサになってしまった私を見て、クマくんが笑った。
「……笑い事じゃないよ、もう…!」
ちょっと膨れっ面になりながら髪を整えてると、
隣からフッと嬉しそうな笑い声が聞こえた。
「ごめんごめん!
……でも、柚がちょっと元気になってくれて嬉しい」



