いつもと同じように駅のホームで電車を待つ。
向かいのホームには蒼と、日替わりの女の子がいる…
はずだったのに。
(……あれ?)
今日は蒼の姿も、それらしき女の子の姿も見えなかった。
「……今日、蒼いないね」
隣から、クマくんの悲しそうな声がする。
……バレてるんだ。
ここでいつも、蒼を気にしてるの。
「……うん」
「いつも、柚の視線に気付いてて、
柚の顔、見たくなくなったとか」
少し冗談まじりにそう言うクマくん。
その言葉に、顔を俯かせた。
「……ごめん。冗談だよ?」
「……」
「柚、ごめんね?」



