一言そう呟いた蒼は


また「ん!」と手を伸ばしてきて、私の動きを待っていた。



「……手…って、
繋ぐ…ってこと?」


「そう」


「……なんで?」



幼なじみだから


蒼と手を繋いだことはある…けど。


それは子どもの頃の話であって


今、手を繋ぐのは…“幼なじみ”としては変じゃないかな?



「……迷子になったりしないし、
大丈夫…」


「そういうことじゃねぇし」



いつまでも伸ばされた蒼の手をとろうとしない私に痺れを切らしたのか、


強引に手を掴まれ、ぎゅっと強く握られた。



「あ、蒼…!?」


「……なに」


「な、なんで繋ぐの…」



私が握り返すことなく手を解こうとすると


それを許さないと言うように、指を絡めてきた。