「あ、ありがとうございました!」


「あざっす」


「いえいえ。
また友樹と遊んでやってね」



車を降りて友樹くんのお兄さんにお礼を言ったら、


お兄さんはニコニコしながら手を振って、車を走らせた。


……って、あれ?



「芽依は?」


「鮎川は家まで送るって」



……芽依だけ特別扱いか。まぁ、わかるけど。



「じゃあ俺らも帰るか」


「うん」


「……ん」



片腕に荷物を抱えてる蒼が


何も持ってない方の手を差し出してきた。



「あ、荷物持ってくれるとか?
いいよ、自分で持つし」


「ちげぇ。
……手」