気づくといつの間にか眠ってしまっていたみたいで、
携帯の着信音で目が覚めた。
「……もしもし」
『そろそろみんな帰ってくるって』
電話の主は笑美。
この部屋にいたら柚と鉢合わせるだろうからって気を遣って自分の部屋に戻ったらしい。
『みんな戻ってきたらすぐ友樹のお兄さん来るみたいだから、
帰る準備もしといてって』
「……はいよ」
返事して電話を切ったら、部屋の外から賑やかな話し声が聞こえた。
…いや帰ってくるの早っ。
帰る準備もしないとだし、自分の部屋に戻んねぇと…。
携帯と財布だけ持ってきてたから、それを持ってベッドから立ち上がると、
ガチャっと部屋のドアが開いた。
