『ゆず、すき』
『わたしもあおいくんすき！』
……子どもの時の言葉を、
信じてた俺がバカだったのかな。
「じゃあさ、もういいじゃん。
柚ちゃんはオトせなかったってことで諦めれば。
また適度に遊べる女探せば？」
「……そう、なんだけど」
遊びの女なんて、いつも同じ。
いくら肌を重ねても、ちっとも満足なんか出来ない。
どれだけ上手かろうが、満足なんか出来たことないんだ。
なのに
柚とのキスは、
すごく、満たされた。
キスだけなのに。
その先にいくのが怖くなるくらい…
心臓が壊れそうになった。
他の女じゃ満たされない。
でも…柚は手に入らない。
