好きになってはいけません。




……あの、二人は…


紛れもなく、朝ホームで見かけた…



黒髪ロング女子と、


………蒼。



(……やばい)



まさかこんなところで一緒になるなんて、思わなかった。


……来なきゃよかった。



頼んだアイスコーヒーを飲んだら、気付かれないうちに早く帰ろう。



顔を見られないようにと、頭を抱えるフリをして手で視界を遮断する。


どうかこのままバレませんように。そして出来れば早く帰っていただきたい。



そわそわして、砂糖の入ったビンを触っていると


パリーン!と何かが割れる音がした。



「ちょっと!
どうしてくれるの!?
カバンが汚れたじゃない!」


「申し訳ございません…!」