「……芽依、本当に友樹くんのとこ泊まると思う…」
「わかってる」
「蒼は…どこで寝るの…?」
私の問いかけに
蒼が気まずそうな顔で視線を逸らしたのがわかった。
「……一人部屋のヤツんとこ」
「え…笑美さん…のとこ…?」
ハッキリそう聞くと、
蒼が、小さく「うん」と呟いた。
「……そ、なんだ」
「笑美は、女子の中で一番仲良い友達だし、お互い恋愛感情は全くないから。
こういう時、遠慮とかする必要ないし…」
「え、笑美さんが蒼に恋愛感情を持ってないって、どうして言い切れるの?」
「笑美が俺のこと好きじゃないって言ってたし、
“これからもずっと友達”って俺に言ったんだ」
『だから俺も何も起こす気なんてないし』と蒼が平然とした顔で言う。