そこにいた人が、見覚えのある制服を着ていたから……無意識に眉に力が入った。
「ご注文はお決まりでしょうか…」
「あっ…アイスコーヒーを…」
「かしこまりました…!」
不機嫌な顔が出てしまっていたのか、女の子がビクビクしながら注文をとった。
ご、ごめんなさい…あなたに不機嫌な態度をとったわけじゃないんです〜!;
女の子にペコ、と頭を下げてから、チラッと先客の方に視線を向けた。
二人席に向かい合うように座っている男女。
男は白のブレザー、女は白のセーラー。
清潔感あふれる、黒髪。
朝、ホームで見た光景と重なって、ドクンと心臓が暴れだした。