好きになってはいけません。




蒼のせい、なんて、言えない。



流された、私のせい。



「クマくん…」


『柚、
帰ってきたらちゃんと話そう』


「……うん」



最初は、蒼を好きでもいいって言ってたクマくん。


でも今度は……許してもらえないかもしれない。



『……柚、
とりあえず一人で出歩くのはやめて?』


「……」



あの場所に、帰りたくない…。


このまま…夜が明けるまで一人でいたい。



『お願い、柚』


「……」


『柚』



クマくんが、返事をしない私に、何度も名前を呼びかける。


クマくんが心配してくれてるのはわかるけど、素直に聞ける気持ちじゃなくて…。


このままクマくんの電話を切ろうとした…その瞬間。



「……なにしてんだバカ!!」