蒼の、意外にも筋肉質な腕が、ガッチリと私を抱え上げてる。


……クマくんより細いし


クマくんの方が、手も体も大きい。



なのに、


私……蒼にドキドキしてる。





蒼に抱えられたまま海に入って、


ずんずん深いとこまで歩いていく。


あっという間に胸くらいまで浸かる位置に来て、パッと腕を離された。



「ひぇっ!!」



体がスッと沈んでいく。


足は着いたけど、顎くらいまで浸かっちゃう。


沈まないように顔を上に向けていると、


腰に手がまわってきて、ぐいっと引き寄せられた。



「…い、いきなり離すとか…っ!」


「わりぃ。
でも、かわいかった」



そう言う蒼は、クスクスと楽しそうに笑ってる。


……それで“かわいい”なんて、めちゃくちゃからかってるじゃん。