柚にはバレてないと思うけど、鮎川には完全に俺の気持ちがバレた気がして、手で顔を隠した。
「蒼くんって、素直じゃないよね」
「あぁ?」
さっき、笑美からも聞いたし!
……それに、素直になったってさ、
どうしようもないんだから、仕方ないだろ?
はぁ、とため息をついたとき、
横からちょんちょんと肩を叩かれた。
「……それで、
蒼、そのかき氷食べるの?」
「……別に、食えないこともないし、食うけど」
「そっか。
私もちょっと欲しかったな…なんて」
しゅん、と視線を下げた柚に、
「ん」と、ゆず味のかき氷を差し出した。
「……え?」
「柚が食いたいなら、やる」
「…いいの?」
首を傾げる柚に、いいよと言って渡す。
ホントは、イチゴ味のあげたかったけど…。
「…蒼、ありがと」
柚が喜んでくれるのなら、なんでもいいや。