好きになってはいけません。




とか言いながら、ニヤけてるけど…?



「なんでニヤけてるの、クマくん」


「え、だって嬉しいじゃん。
柚が俺のこと考えてくれてんだなぁって」


「考えるよ!」



彼氏なんだし。


むぅ、と唇を尖らせると、クマくんが私の唇に手の甲を当ててきた。


そして、私の唇が触れた部分に、ちゅっと口付けた。



「……な…!?」


「電車で直接は恥ずいから、間接キス」


「いやそれも恥ずかしいよ!」



チラチラとまわりを見ても、こっちを気にしてる人は誰もいない。


……でもやっぱり、恥ずかしいですって…。



「クマくんって結構グイグイくるよね…」


「そうじゃなきゃこんなに諦め悪くないよ」




……たしかに。