好きになってはいけません。




「柚もたぶん、鮎川いないと居づらいだろうし、行ってやって」



鮎川が嬉しそうに笑ったあと、


ム、と眉を吊り上げて俺の背中をバシッと叩いた。



「いてっ!!
は!?なんで!?」


「べっつにー。
優しいなぁって思ったけど、それも遊び人の証拠かって思ったらムカついただけー」



『じゃあ柚のとこ行こー』と走っていってしまう鮎川。


……遊び人の証拠、か。


耳がいてぇな。




「あ、蒼こっち来たの?
ビーチバレーまざるー?」


「……いや、いい。
かき氷買ってくる」


「あたしイチゴがいいなぁー!」


「ずるい!あたしも!メロン味!」



笑美を含めた女子どもが、口々に頼んでいく。



「そんなに持てねーから。
自分の分しか買わねー」


「えーーケチ!!」