好きになってはいけません。




「あたし、この中では友樹くんしか知り合いいないし、
友樹くんがいなかったら、一人ぼっちだなぁって」


「じゃあ、ビーチバレーやめてこっち来たら?
そこで、柚と話してたから」



柚が立ってる方を指さすと、


鮎川があははっと笑った。



「やっぱ蒼くんって、優しいよね」


「そうか?」


「空気読めるっていうか、
友樹くん、あたしがこうやってちょっと居心地悪いなぁって思ってても気付かないでしょ?

それに比べて、蒼くんはしっかり気付いてくれるんだなぁって」



……ま、普通の女じゃ気付いても気にしないけど。


鮎川は…中学の時よく一緒にいた一人だし…それくらいのことは気付くし、困ってたら助けるだろ。


あんだけアタックしてても、そういうことに気付けない友樹が一番悪いけどな。