“友達”とか“幼なじみ”とか。
俺はそんなつもり、ないんだ。
クマがいないのを良いことに、付け入ろうと必死。
……なんて、なんで必死になってんだろうな。
「蒼」
ぼんやりしてたところに、後ろから聞こえた声にドキッと心臓が反応した。
チラ、と後ろを振り返ると、
俺のパーカーを着たままの柚が、パーカーの裾を引っ張りながら立っていた。
「このパーカー、ぶかぶかなんだけど…」
俺のパーカーが大きくて、太ももあたりまで隠れてしまっているから、
下履いてないみたいで……めちゃくちゃエロい。
「……なんで俺の着て来たんだよ」
「だ、だって…
蒼の荷物どこに置けばいいかわかんなかったから…」