「笑美のお願いくらい聞いてやれよ〜」


「は?なんで」


「あんまりツンツンしてると嫌われるぞ?」



ハハハ、と楽しそうに笑われて、はぁとため息を吐いた。


……なんで俺が笑美に優しくしてやらないといけない。


コイツら、絶対勘違いしてる。


……それも、仕方ないとは思うけどさ。たぶん学校で一番仲良い女子は、笑美だから。


でも…そうじゃないから。



「ツンツンしてたら嫌われるのか。
優しくしたら好きになってくれんのかな」


「は?
いや、笑美はお前のこと好きだろー!」


「あたし蒼のこと好きじゃないよ!?」



笑美と男メンバーがきゃっきゃと騒ぎながらビーチバレーをやるという場所へ歩いて行く。



それをぼんやりと見ながら、さっきのことを思い出す。