偽りのキス


公園に着いて気付いた



乙は泣いてた




「乙…?」




「蒼汰…あの人のこと、好きなの…?」

乙に聞かれた



オレは何も言えなかった




乙の目から涙がこぼれ落ちた




「私、蒼汰のことが、好きだよ…

キスしてくれたのに…
抱きしめてくれたのに…

私、嬉しかったのに…

今日も楽しかったよ…

今日も好きだったよ…

なのに、なんで…?

なんで、今更、手繋いだの?

ずっと、ずっと、待ってたのに…

いつも、重ねてたの?
私と、あの人のこと…」



乙はボロボロ泣いた



中学の時
オレにフラれた時以上に