『あのさ、橘さんは彼氏いてるんでしょ』
『え、どうして知ってるの?』
『知ってるも何もあんたらの会話、聞こえてたんだよ』
また一つ奏多は、はぁーっとため息をついた。
『あの子、一つ上の同じ学校の先輩と付き合ってんだろ』
みいは奏多の言葉に頷く。
『入学式、早々にあんなに会話する奴なんて…あんたら二人だけ』
『…えっ』
『だから、前見とけってメール送ったんだよ』
『…そうだったんだ』
みいは口元を押さえて、その紙に目をやる。
『でも…お兄ちゃん凄いね。こんなに優しくていいお兄ちゃん、他に探してもいないよ…』
みいは、お兄ちゃんの手を優しく包み込んで
『ありがとう、お兄ちゃん』
ニコッ―…っと、微笑んだ。
