紅茶とクッキーを美砂は楽しむ。突然変わってしまった日常だが、温かい紅茶やクッキーのおかげで前より落ち着いてきた。

シャノンとメレディスはクッキーを食べる美砂に優しい目を向ける。美砂は気になったことを訊ねることにした。

「あの……」

「ん？どうしたの？」

メレディスが首を傾げる。美砂は「どうして私の名前、知ってるんですか？」と訊ねた。二人に名前を一度も美砂は教えていない。

「それはね、ずっと君のこと見てたから」

メレディスの言葉に「えっ？」と美砂は首を傾げる。シャノンが口を開いた。

「美砂はさ、高校生の頃にイギリスに留学してた時期があったでしょ？俺とメレディスもイギリスに用があって行ったんだ。その時、偶然街中で君を見つけて俺たちは君に一目ぼれしたんだ」

シャノンの言う通り、美砂は高校二年生の夏休みにイギリスに留学していた時期がある。美砂は記憶を辿るが、シャノンやメレディスに出会った記憶はない。