「…っ!?」


年上なのにそうは感じさせない笑みは母性をくすぐられた。


「先輩はやっぱり可愛いですね」


そういえばむっとする先輩は逆効果。

手を引いて鞄と日誌を持たせ、職員室に向かう先輩に小さく笑ってしまった。


こんな先輩は私しか知らないって思ってもいいですか。


好きじゃない先輩への気持ちはきっとこの時にも大きくなっていたんだろう。

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少し冷たい手に自分のそれを絡ませると真っ赤になる萌音。


これは俺を可愛いって言ったおしおき。

教室を出る時に笑った声も聞こえたんだから。



俯く彼女をみて勝った気になる俺は子供じゃない。