私だけがポツンと椅子に座って作業をしている。


窓が開いているから外からはサッカー部の掛け声と女の子たちの黄色い声が聞こえる。



日誌が完了して黒板に向かう前にベランダに出る。


窓を開けていたけれどやっぱり外に出ているほうが風が心地いい。


おろしている髪がサラサラと揺れる。


手すりにもたれかかっていると練習着に着替えた山下君と目が合って手を振ってくれるから振り返した。



山下君の笑顔ってなんだか和むんだよな。



「……もう、浮気?」



後ろから声が聞こえてビクッとする。


慌てて180度振り向くと窓際の特等席に座っている天陽先輩。