「ついてきてもらっていいですか」
そういえば、すたすたと歩いて行ってしまう。
……これは大丈夫ってことでいいのかな。
小走りになって追いかけて隣に並べるくらいになれば速度をゆっくりにして合わせてくれる。
「屋上でいい?」
「あ、はい」
私の学校は屋上も使えるんだけど梅雨になってからは利用者が激減している。
それに昨日は夜中に降っていたから誰もいないだろう。
先輩についていくけれど会話はもちろんなし。
コツコツと階段を上る音が聞こえる。
やっと着けばキーっという音をあげて頑丈なドアが開いて私を屋上に入れてくれる。

