りゅうちゃんは学校でとてもモテたけれど、りゅうちゃんが会話をする女の子はあたしだけだった。
それがあたしの優越感を酷く煽った。
りゅうちゃんもりゅうちゃんで、
人肌恋しい時は何から何まであたしに相手をさせた。
…そう、セックスまでも。
正気の沙汰じゃない。
分かってる。
でもこの時のあたしたちにはこの関係が心地よかった。
ずっとこのまま一緒にいるんだと、その時のあたしは信じて疑わなかったのに。
──晴奈が現れた。
りゅうちゃんの過去諸共( もろとも )かっさらって、
りゅうちゃんの全部を受け入れて、
あたしからりゅうちゃんを奪って、
二人で一緒に前に進みだしたのだ。
あたしみたいに依存するのではなく、お互いに助け合えるような、“綺麗”な関係。
りゅうちゃんはあたしを置いて前に進んで、
あたしはここに取り残されて前に進めなくて、
いつの間にか
…身動きが取れないほどに絡まって溺れていた。

