雨の降る日に君と。


りゅうちゃんは学校でとてもモテたけれど、りゅうちゃんが会話をする女の子はあたしだけだった。

それがあたしの優越感を酷く煽った。


りゅうちゃんもりゅうちゃんで、

人肌恋しい時は何から何まであたしに相手をさせた。

…そう、セックスまでも。


正気の沙汰じゃない。

分かってる。

でもこの時のあたしたちにはこの関係が心地よかった。

ずっとこのまま一緒にいるんだと、その時のあたしは信じて疑わなかったのに。


──晴奈が現れた。

りゅうちゃんの過去諸共( もろとも )かっさらって、

りゅうちゃんの全部を受け入れて、

あたしからりゅうちゃんを奪って、

二人で一緒に前に進みだしたのだ。


あたしみたいに依存するのではなく、お互いに助け合えるような、“綺麗”な関係。


りゅうちゃんはあたしを置いて前に進んで、

あたしはここに取り残されて前に進めなくて、

いつの間にか


…身動きが取れないほどに絡まって溺れていた。