「今日ね、流雨のお母さんとりゅうちゃんのお父さんが手を繋いでたの!すごく仲良いんだね!」

「…ルウ。それ、本当?」

「本当だよ!」

無知って怖い。

この時のあたしは知らなかった。

自分がどれほど重大なことをしでかしたのか。


「…ルウ。これは俺とお前だけの秘密だ。わかったな?」


「りゅうちゃんとあたしだけの!?分かった!」


ただ単純に2人だけの秘密というのが嬉しかった。

2人だけの秘密。トクベツ感。

小さい頃のあたしはそう思った。