今の所、遅番で入り、ベッドメイクをしてからの宴会(パーティー)サービスのシフトなので、ここ四日間はこんな感じの朝。

起こしに来る度にキスをせがまれる。これじゃ、まるで付き合っているみたいじゃない。

所有されているだけで恋人未満な関係なのに、支配人のペースに流されている。

「朝御飯はどうします?」

「ちょっとだけ食べる」

子供じゃないんだから、ちょっとだけとか言われるのが一番困る。

寝起きの悪い支配人が簡単に食べて行けると思い、昨日の夜から下準備をして作ったサンドウィッチを持参した。

「サンドウィッチ作って来たので食べてください」

サンドウィッチなら、好きな分だけ食べられるから。

「サンキュ。俺専属のバトラーになるか?なんなら、嫁になるか?」

テーブルの上にサンドウィッチを出してお皿に並べていると、後から包み込むように抱きしめられ、顎に手を触れて横側に顔を動かされた。

まだセットしてないままの長めな前髪から覗く瞳がセクシーさを醸し出し、私を見つめる。

目が合うとドキドキが加速して、耐えられずに目を反らしてしまう。

「え、と…!?」

返事をする間もなく体制までもが横側に替えられ、唇が重ねられてしまい吐息が漏れる。出勤前の朝だと言うのに、舌が絡み合う卑猥な音が部屋の中に響く。

「…っふぁ、し、…はい、にん…」

「明日は休みだろ?気が向いたらで良い。部屋に来い」

冷めやらない熱を持った私の両頬に支配人が両手を添えて、命令口調で言った。

「篠宮は遅番で良かったな。そんなエロい顔じゃ出勤出来ないもんな?」

クスクスとからかうように笑う支配人が大人の余裕を持ち合わせていて、適わない自分がいる事に気付く。

悔しくて睨みつけるような上目遣いに対し、「可愛い」と呟き、瞼にキスをされる。