「昨日さ、篠宮さんが前に居たホテルのヘルプに行って来たんだけど…フロントの女の子と話す機会があって、篠宮さんが居なくて寂しいって嘆いていたよ」
「そうですか…」
以前働いていたリゾートホテルの仲の良い人とは、メッセージアプリなどでやり取りしているし、お互いに会えずに寂しい思いをしているのも分かっている。
この人が私の事を良く知りもしないのに、前の職場で話題にしている事が不愉快に思える。早くオープン時間になって欲しい。
「今日、終わったら、どこかに行きませんか?」
「…ごめんなさい、明日も仕事なので」
「お休みいつですか?」
「…………」
明らかにナンパ行為。支配人に見られたら今度こそ、確実に厳重注意処分。
黙り込んでもめげずに誘って来て、困り果てていると配膳会の方が注意をしてくれた。
助かったのも束の間、オープン時間になり、慌しく動かざるを得ない。慌しく動いても先日の披露宴の比ではなく、幾分、足取りは軽やかだ。
カラードレスに身を包んだ新婦がにこやかに笑う中、例の大学生に会わないように歩き、星野さんをサポートして料理を追加したり、ドリンクをお客様に提供する。話をかけられる隙を作らず、仕事に没頭する。
パーティー終了後に顔を出した支配人の近くで片付け作業をし、やり過ごせたと思った時、大学生に捕まった。
「そうですか…」
以前働いていたリゾートホテルの仲の良い人とは、メッセージアプリなどでやり取りしているし、お互いに会えずに寂しい思いをしているのも分かっている。
この人が私の事を良く知りもしないのに、前の職場で話題にしている事が不愉快に思える。早くオープン時間になって欲しい。
「今日、終わったら、どこかに行きませんか?」
「…ごめんなさい、明日も仕事なので」
「お休みいつですか?」
「…………」
明らかにナンパ行為。支配人に見られたら今度こそ、確実に厳重注意処分。
黙り込んでもめげずに誘って来て、困り果てていると配膳会の方が注意をしてくれた。
助かったのも束の間、オープン時間になり、慌しく動かざるを得ない。慌しく動いても先日の披露宴の比ではなく、幾分、足取りは軽やかだ。
カラードレスに身を包んだ新婦がにこやかに笑う中、例の大学生に会わないように歩き、星野さんをサポートして料理を追加したり、ドリンクをお客様に提供する。話をかけられる隙を作らず、仕事に没頭する。
パーティー終了後に顔を出した支配人の近くで片付け作業をし、やり過ごせたと思った時、大学生に捕まった。



