本日、総支配人に所有されました。~甘い毒牙からは逃げられない~

蓮実さんとお話した後、二人揃って事務所を出た。

「蓮実さんって、大人な女性ですよね」

「……うん。本人には聞いた事ないけど、結婚して小学生の子供がいるらしいよ」

「え?お子さんがいらっしゃるのにあのスタイル…!」

蓮実さんの美貌は惚れ惚れしちゃう程に美しい!お子さんがいらっしゃるのに引き締まったウエストに細長い手足、幸薄そうな美人って言ったら失礼かもしれないけれど、そこがまた素敵なのです。

一颯さんの同僚の方々は本当に素敵な方ばかりで、恐縮してしまう部分もある。私も歳を重ねたら、あんなに素敵になれるのかな?

「間違っても、あんたが蓮実さんみたいにはなれないから」と言って、高見沢さんが笑う。そ、そんなに笑わなくても良いじゃない?

「あんたはあんたのままでいいんじゃない?彼氏もそれが御所望なんでしょ?」

「……そ、それはどうか分かりませんけど…」

「無理に背伸びしないで、きっと…そのままのあんたで良いんだよ」

私は一颯さんに合わせなくてはならない、と無理に背伸びをしようとしていた。高見沢さんは私達の関係は否定しようとするくせに、優しい言葉をかけてくれる時もある。

「あー、イチャイチャしてる!」

ラウンジ裏のパントリーで業務が来るまで待機していたら、吉沢さんが顔を出した。指をさされた私達は必死に否定をする。

「イチャイチャはしてないですよ、決して!」
「誰がイチャイチャしてんだよ?」

「してないのは知ってるよ~」と笑顔を振り撒き、「様子見の幸田様なんだけどね、ラウンジに御友人の予約も入ったの。卒業記念だって」と教えてくれた。