「仕事もあるのに 全部 奈緒に 頼んじゃってごめんね。色々、大変でしょう。」

奈緒は思った以上に 精力的に動き 雑務を テキパキと 片付けてくれた。
 

「大丈夫。細かい事は お兄さんが 手配してくれるし。私 段取りが良いて。お兄さんに 褒められたよ。医師 辞めたら 廣澤工業で 使ってくれるって。」

得意気に言う奈緒に、
 

「兄貴は 営業上がりだから 口が上手いんだよ。本気にしたら 駄目だよ。」

と翔も笑う。
 


半年以上かけて 全てが整った二人。



盛大な結婚式の後 開業への希望を胸に 翔と奈緒は ヨーロッパへのハネムーンに飛び立って行った。