「奈緒のご両親にもね。奈緒を 医学部に行かせてくれたこと 感謝しないとね。」

翔が言うと、奈緒は 顔を覆って泣き出した。
 

「もう。奈緒こそ、泣かないでよ。」

翔は そっと奈緒の肩を抱く。


激しくしゃくり上げる 奈緒の背中を、翔は 優しく撫で続けた。