「翔のお祖母ちゃん 医師だって人間だから。完璧じゃなくてもいいって。どんな病気でも 治せるわけじゃないから。ただ 医師は 心から 患者さんに寄り添ってあげることが大切だって 言ってくれたの。」

奈緒は 話しながら、少し涙汲んでくる。
 

「奈緒、お祖母様と そんな話しをしていたの。」

お祖母様と翔は そこまで 踏み込んだ話しは しなかった。
 


「うん。それでね お祖母ちゃん、そんな風に思うことは 優しさと 責任感の強さだからって。私のこと 良い医師になれるって 言ってくれたの。」

奈緒は、少し声を震わせた。


奈緒より先に、翔の目から 涙が溢れる。
 

「もう。泣かないで。」


と奈緒は翔に言う。