「奈緒。研修が終わったら ここに 引っ越してきてよ。」


研修が終了したら 奈緒は 研修医の寮を 出なければならない。
 

「いいの?」

奈緒は 驚いて翔を見る。
 
「もちろん。医局に入ると スケジュールもわからないし。一緒に住んだ方が いいでしょう。」



翔の言葉に 奈緒は 少し困った顔で
 

「でも 翔の家族 怒らない?」


と聞き返した。


翔は笑いながら、
 

「怒らないよ。でも 住む前に 奈緒のこと 家族に紹介したいんだ。」

と翔は言う。


たったそれだけの言葉でも 翔は 照れてしまう。
 

「それ、どういう意味?」

奈緒は もっと驚いた顔で言う。
 


「俺も 奈緒のご両親に 挨拶に行くから。」



質問の答えにはなっていないけれど。


翔にとっては精一杯の言葉。