「あの頃 看護師達の間で お祖母ちゃんのことが 話題になっていて。励ましてもらったとか 癒されたとか。私 好奇心で お祖母ちゃんの病室を訪ねたの。」


翔は 全く知らなかった。


看護師達の話しも、翔の耳には 入らなかったから。



頷いて、先を促す翔に、
 

「あの頃 結構 行き詰っていたから。慰めてほしかったのかな、私も。」


奈緒は、一口ウーロン茶を飲んで 続ける。
 


「最初は、ただの世間話しで。私が 廣澤君の同期だって言うと お祖母ちゃん 子供の頃の 廣澤君のこととか 話してくれて。」
 

「勝手に 俺のこと、話して。」

と翔は笑う。